当社代表の塩沢均による連載コラムです。

社長の塩沢です。
ベイクックについてはもちろん、稲作や長野米のお話、その時々の話題や情報など私なりに感じたことをお届けしていきたいと思います。どうぞお付き合いください。
8月末に農水省が8月15日現在の令和7年産米の作柄状況を発表しました。昨年まで公表されていた「コメ作況指数」を止めて新たな指標を作るとのことですが、「つなぎ」としての作柄状況ということになるのでしょうか。
ただこの作柄状況がなかなか分かりにくい。
従来の作況指数は「過去30年間の実収量のトレンド等に基づく平均収量との比較による」ということで、慣れていたせいもありますが、「103」といわれれば「お、なかなか良いね」となったり、「98」だと「平年並みだけど、少し悪いかな」といった感じでした。
ところが今回発表された作柄状況の数字は、あくまでも前年との比較の数字ということでして、昨年がどうだったかが大きく影響します。例えば静岡県は唯一1県だけの「(昨年を)上回る」(106%以上)でしたが、そもそも静岡県の令和6年度の作況は「95」と全国最下位であり、そもそも比較される基準が低かったということです。
逆のパターンだと「(昨年を)やや下回る」(98~95%)とされる、岩手、宮城、秋田、千葉のうち秋田を除く3県は、昨年の作況指数でいうと宮城106、岩手107,千葉105と豊作指数でありました。
静岡は出来が良いのか?岩手、宮城、千葉は出来が悪いのか?何だかよく分からないですね。今年のような市場だからこそ、生育状況や作況を知りたいと思う方も多かったでしょうが、何ともタイミングが悪いです。
まだほとんど出回っていないというのに、今年の新米の価格がすごいことになっています。どうか「価格」の点だけでコメやごはんを敬遠しないでほしいと思っています。市場にはまだ輸入米もあれば随意契約米、入札備蓄米もあります。きっとあなたのニーズに合致するコメもあるはずです。そんなコメを見つけて食欲の秋を満喫していただきたいです。