令和6年産新米最新状況
長野県内の稲刈りも後半戦になってきますが天候の影響もあり、少し刈り取りペースも落ちているようで、これからは刈り遅れによる胴割れが心配になってきます。
気になる品質は、コシヒカリの刈り始めからここまでのところは概ね良好です。収穫量は分げつが進まず株数が思いのほか少なかったようで、「出来はいいが収量は前年並み」といったところです。
10月に入ると特A地区(飯山、佐久)のコシヒカリ、風さやか、ミルキークイーンなどが発売されますので、改めてご案内いたします。
茶碗1杯分のごはんの価格はいくら?
令和5年産に引き続き、令和6年産米の価格も高止まりの状況が続いています。店頭の精米価格も驚くような価格になっていますが、実際に「ごはん」にしたときの価格イメージはどうなのでしょうか。
精米3合の量はどれくらい?
基本のお米(精米)の単位は1合、1升といいます。
お米を炊くときに使用する計量カップが1合です。1合は150gで計算しますが、1合はカップの容量ですので、「150gくらい」が実際の適当な表現かと思います。1升は10合ですので1.5㎏になります。
家族構成は様々ですが、一般的には家庭で1回に炊飯する量は2合~3合程度かと思います。今回はお米3合(150g×3=450g)を炊いてみました。
「お米」が「ごはん」になると何倍になる?
本来、お米のプロである私たちは精米重量や加水量を正確に測って炊飯試験を行いますが、今回はあえて一般家庭で炊くやり方で炊飯を行ってみました。
- 計量カップでお米をすくい、3合分のお米を炊飯釜に入れます。
1合カップすりきりで3回お米をすくって、釜に入れたところ精米重量は455gでした。約3合です。
- 3合のお米を研いで、水を切り、洗米時にどれくらいの水分をお米が吸水したか計ってみました。
総重量で636gでした。精米が455gでしたので、181g(精米の4割)ほどの水分を洗米の間だけで吸水したことになります。
※洗米時も、どんどん吸水していくので最初の濁った水は手早く流したほうが余分なぬか臭がつかないと言われています。
- 炊飯釜の内側にある「3」の目盛まで水を入れます。
加水後の重量は1,086gです。生米に対し、吸水分も含めて約1.4倍の水を加えたことになります。
- このまま浸漬時間も考慮した炊き上がり時間で炊飯スイッチを入れます。
浸漬時間(吸水に必要な時間)の目安は、水温の暖かい夏場で30分以上、春秋は1時間、水の冷たい冬場で1時間半です。
- ごはんが炊き上がり、しっかりとほぐした状態で重量を計りました。
炊き上がりのごはんの重量は、釜の重さなどを差し引くと1,005gでした。
お米3合(455g)を炊くと1,005g(お米の重量の2.2倍)のごはんが炊き上がりました。
「お米」が「ごはん」になると2.2倍になりました!
実際のごはん茶碗1杯分の価格は?
つまり、1㎏の精米を炊飯すると2.2㎏のごはんが炊き上がります。
この「2.2倍」という数字はそのまま計算に使える倍率です。
ごはん1杯の値段を出したいとき、
(例)1㎏400円のお米
ごはん1㎏は、400円÷2.2倍≒182円
- ごはん茶碗軽く1杯 150g 182円/kg×0.15㎏≒27円
- ごはん茶碗大盛1杯 180g 182円/kg×0.18㎏≒33円
- ごはんどんぶり1杯 230g 182円/kg×0.23㎏≒42円
茶碗1杯で27円~47円程度と、かなりリーズナブルということがわかります。
仮に、1㎏600円のお米をごはんにしたら、600円÷2.2≒273円/kg。ごはん180gで、273円×0.18≒49円です。
現在、お米の価格が高騰していますが、それでも1杯あたり50円程度です。
普段は、3合のお米が「ごはん」になったときは?なんて考えませんし、目で見てもピンときませんが、しっかりと計算ができることはおわかりいただけたかと思います。ぜひこの計算方法をもとにコスト計算などをしてみてはいかがでしょうか?