いつもと同じ水分量で、いつもと同じようにご飯を炊いているのに、炊き上がりが普段と違うと感じることはありませんか?
その原因の一つに挙げられる「割れ米」を検証・ご紹介いたします。
炊飯トラブルの原因のひとつ「割れ米(砕米)」
炊き上がったご飯を食べたとき、「ぐしゃっとしている」「舌でザラつきを感じる」「硬いところと柔らかいところがある」と感じたことはありませんか?では、なぜこのような食感になってしまうのか。それは、お米の産年(古いお米)や銘柄、産地などではなく、お米が割れていることが影響しているケースが考えられます。
「お米が割れている」ってどんな状態?
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通常の割れていない精米
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割れている精米
上記の通常のお米と比較してよく見ると、お米の粒に白い筋が入っているのがわかります。これが割れているお米です。
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浸漬して吸水後、割れた状態
お米を洗米後、浸漬した状態です。お米が水を吸って、白っぽくなっています。
割れているお米が水を吸うことによって、白い筋の部分からひび割れが起こります。
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浸漬・吸水後、ざる上げした状態
浸漬・吸水後、ざる上げを行うと、お米が吸った水分が蒸発して、ひび割れが進んでいきます。
お風呂上がりに水分が蒸発してカサカサにならないように肌を保湿するように、お米もざる上げした場合は、ボウル等に移し替え水分が逃げないようラップをする必要があります。
お米が割れる原因
お米が割れる原因はさまざまです。生育から炊飯まで、お米が割れる原因は下記の通りです。
- 炊飯段階
- 吸水(すでにひび割れている(白い筋が入っている)お米の吸水)
- 洗米(研ぎ過ぎ)
生産段階
生育段階では、「刈り遅れ」です。収穫が適期より遅すぎると籾が水分の吸水と蒸発を繰り返し、胴割れが起こります。
また、収穫後の乾燥段階での「過乾燥」もお米が砕けたり割れたりする原因の1つです。逆に水分量が多すぎると腐ったりカビが発生する原因になります。
精米加工段階
精米加工段階では、「過搗精(摺り過ぎ)」です。お米を摺り過ぎると熱や圧力により、お米の粒が脆く割れやすくなります。
精米工場では、割れた原料玄米や精米は、シフターなどによってふるい落とされるため、袋詰めの段階では割れ米が多く入っているということはありません。
炊飯段階
割れている精米の写真のお米は、白い筋が入っていますがまだ完全に割れているわけではありません。このお米が水を吸うことで割れることがあります。(浸漬して吸水後、割れた状態の写真)
また、ゴシゴシ、ギュッギュッと力を入れて研ぎ過ぎてしまうとお米同士が擦れて割れてしまうことがあります。業務用の場合は水流で洗米を行う事業所様も多いですが、この段階で割れが発生するケースもあります。
割れ米が多いとどうなる?
割れたお米が多くなると、ご飯表面のざらつきを感じたり、炊きムラが起きたりします。
これからが「いつもと違ったごはん」と感じる理由の一つになります。
「割れ米」のまとめ・対策と対応例
- 割れ米の原因は、「生育段階」「精米加工段階」「炊飯段階」の3種類がある
対策と対応例
- 炊飯段階
- お米はやさしく研ぐ
- ざる上げした場合は、ボウル等に移し替え水分が逃げないようラップをする
炊飯方法や炊飯トラブルのお悩みなどをお聞かせください
上記は炊飯トラブルの一例で、いろいろな現象や要因がありますので、これから少しずつ分かりやすくご紹介していきます。現在のお米の炊飯方法や、炊飯トラブルなどお困りごとがございましたら、お気軽にご相談ください。
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