社長コラム26 増産・猛暑・随契米終了…先が見通せない令和7年産米のコメ市場

精米 玄米 社長コラム

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当社代表の塩沢均による連載コラムです。

Shiozawa@2x-1

社長の塩沢です。
ベイクックについてはもちろん、稲作や長野米のお話、その時々の話題や情報など私なりに感じたことをお届けしていきたいと思います。どうぞお付き合いください。

 

いよいよ令和7年産米の市場が始まりました。まだ西南暖地といわれる宮崎や鹿児島の早場米が主ですが、宮崎などは概算金が30,000円を超える、かなり高い水準でスタートしたようです。これから主産地へ移っていくわけですが、今年はどうにも先が見通せません。

主食用米の作付け面積は大幅に増えました。約41万t分ともいわれています。この分がその面積通り生育すれば、供給はかなり余裕が生まれるかと思われます。

しかしながらこの天候です。猛暑日がこれだけ増え、雨が降らず、カメムシ等の発生が多いとなると、一体どの程度の出来になるのかまだ全く見えてきません。

しかも需要は必ずしも堅調とはいえないような気がします。もともと夏場はごはんの消費量が低迷する時期ではありますが、今年はこの暑さです。その上、ここまで競うように備蓄米だ、輸入米だと売り場を駆け回って買い求めてきたわけです。少なくとも一般の家庭の台所には、気が付いたら結構な量のコメが存在していた、なんてことがあるのではないかと思っています。

食品スーパーさんのコメ売り場を見ても、2、3カ月前は商品を並べた途端に買われて棚から商品が消えてしまったりしていましたが、今は随分落ち着いています。

そんな状況の市場に、去年より高い令和7年産の新米が入ってきたらどうなってしまうのでしょう?

(公財)流通経済研究所が発表した政府備蓄米に関する消費者調査によると、「これから新米までの間にコメを買う場合、最も購入したいものは?」という質問に対し、「4,000円台/5kgの銘柄米」という答えが最も多く32.8%、次いで「2,000円/5kgの随意契約備蓄米」が29.3%、「3,000円台/5kgのブレンド米」26.3%という答えでした。対象が大都市圏に住む「コメを半年に1回以上購入する」男女(1,132人)ですので地域差のある回答なのかもしれませんが、この傾向を見る限りでは比較的安定した需要が得られそうな気もします。

ただ、随意契約米は今月いっぱいでなくなる予定です。そのとき、随契米ユーザーは新米に手を伸ばすのでしょうか?また、新米の価格が予想以上に高かったとき、その新米をリピートして買ってくれるのでしょうか?

現時点では予想も難しい7年産米マーケット、例年以上に注視が必要です。