当社代表の塩沢均による連載コラムです。

社長の塩沢です。
ベイクックについてはもちろん、稲作や長野米のお話、その時々の話題や情報など私なりに感じたことをお届けしていきたいと思います。どうぞお付き合いください。
参議院選挙も佳境に入っています。今般の参院選の争点は?と問われると、やはり「物価高対策」が一番に挙げられるのでしょうか。物価高騰という観点からすればコメは代表ともいえる商品でありますが、コメ政策あるいは農業政策という点で選挙戦を見ると、今一つ不活性な気がしてしまうのは私だけでしょうか?言い換えるとコメ政策に関しては各党大きな差異はなく見えてしまいます。
「増産」+「所得保証」というのが大きな方向性です。
現在の様相を鑑みればこういう方向性に落ち着くのでしょうが、何かちょっと腑に落ちません。「増産」については然したる検証もなく同意を得てしまいましたが、一体どのくらいの増産を目指すのでしょう?そもそも新型コロナ禍騒動に入るまでは、年に10万tの需要が減少していると言われていたはずです。しかも政府は現時点でも令和6年産米は生産量が不足したとは言っていない。そんな風に検証が何もなされていない中で、増産だけが前のめりで進んでしまっているような気がしてなりません。幸いなことに備蓄米が入っていた倉庫がガランと空いていますから、仮に供給過多となったら政府米として買上げ需給バランスを図るつもりでいるのかもしれませんが、生産の方はそんなに小刻みに作ったり止めたりを繰り返せるのかどうか不安になってしまいます。
農作物というと広くなりすぎかもしれませんが、少なくともコメについては今までのスキームを見直さないといけないと多くの方が感じているでしょう。ただそれを推し進めるには、先ずどういったことが原因でどんな結果を招いてしまっているのかという現状の因果関係の整理を国民目線で行うべきだと思います。それがあってはじめて、コメはどこに向かえばいいのかが見えてくるのではないでしょうか。参院選がそのためのきっかけになって欲しいと思います。