当社代表の塩沢均による連載コラムです。

社長の塩沢です。
ベイクックについてはもちろん、稲作や長野米のお話、その時々の話題や情報など私なりに感じたことをお届けしていきたいと思います。どうぞお付き合いください。
先月このコラムで「そろそろ備蓄米が出回るのではないか」と書きましたが、現状はなかなか思うように進んでいないようです。
当社も4月下旬からやっと食品スーパーさん向けに備蓄米を使った商品を出荷できるようになりました。ただ第1回目の入札のときは、販売先の制限や買い戻しによる影響など不明瞭なことも多々あり、当社としても思い切った量の発注ができませんでした。そのため大量出荷できる程の量を調達できず、本来なら一度にもっと大量に出荷したいところなのですが、チョロチョロとしたとした出荷になってしまい店頭からもすぐに売れてしまうという状況が続いております。同業他社さんも同じような事情を抱えておられるのか、残念ながらまだ長野県内の米価を冷却させるだけの効果を発揮できておりません。
全農の発表によると、第1回、2回の約20万tの落札分のうち5月1日までに出荷できたのは5万7千t弱、約29%とのことだそうです。そして残りの備蓄米は7月末までに全量の約70%に当たる14万7千t弱が出荷を済ませる予定とのことです。こうした動きに対し農水省は全農に対し「前倒しで供給拡大」「必要とする事業者への安定供給」を改めて要請したという話が流れてきています。
足元の課題である米価引き下げのためには、先ずは備蓄米を広く販売し行き渡らせることだと思います。輸入米等他の選択肢もありますが、規模からいっても備蓄米が最も影響が大きいでしょう。
第3回の入札分では当社も第1回、2回目を大きく上回る備蓄米を入手することができました。もちろんこれだけで今の不安定なコメ市場が落ち着くわけではありませんし、当社の原料不足分を補いきれるわけではありませんが、少しでも早く、より多くの消費者の皆さんに行き渡るよう頑張って販売していきますので、どうか安心してお買い求めいただければと思います。