長野県農業試験場を視察しました

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今回は、長野県農業試験場 育種部・作物部を視察した際の様子をご紹介いたします。
長野県農業試験場は須坂市にあり、育種部・作物部では、水稲や麦の育種をはじめ、栽培全般に関する研究が行われています。

長野県農業試験場

目次

実は長野県が発祥?

今回の視察では、農業試験場の歴史から、現在の気候環境に対応した研究まで幅広くご紹介いただきました。

その中で特に印象に残ったのは、現在では当たり前となっている「育苗」や、その際に使用する「苗箱」が長野県で考案されたものだということです。
今よりもさらに寒冷だった長野県で考案された育苗方法は、それまで稲作が難しかった東北や北海道などへの稲作の普及にも大きく貢献したと言えるのではないでしょうか。
その後、苗箱を用いた育苗方法と田植え機の普及・進化によって、稲作はさらに効率化が図られました。

また、この苗箱の原型となったのは、当時長野県で盛んだった養蚕業で使用されていた箱だったそうです。現在でもその規格が受け継がれ、田植え機もその規格に合わせて作られているとのことでした。

農業試験場-1長野県の水稲栽培や試験研究についての説明を受ける様子

長野米の未来を支える研究

新品種の育成(育種)についても説明を受けました。
一つの品種を育成するには約10年もの年月が必要で、その品種を安定して栽培するための栽培技術についても並行して研究が行われています。

現在普及している栽培技術は、試験場の皆さんが長年積み重ねてきた研究と知見によって支えられています。現在進められている研究も、長野県の稲作の未来につながる大切な取り組みです。

長野県の奨励・認定品種

長野県では、このような研究を経て、県全体での普及を推進する「奨励品種」と、特定の用途や地域での栽培に適した「認定品種」を下記のとおり定めています。

長野県の奨励・認定品種一覧(令和8年度)

主食用うるち米農業試験場-7-1

酒造好適米

農業試験場-8

もち米

農業試験場-9

  • 奨励※1・認定品種 奨:奨励品種、認:認定品種
  • 産地品種銘柄※2  必:必須銘柄、選:選択銘柄

※1 奨励品種:各都道府県がその地域の気候や土壌、需要動向を考慮し、「県内で積極的に普及させるべき」と認定した優良な農作物の品種。
※2 産地品種銘柄:農産物検査法に基づいて農林水産省が都道府県ごとに設定する銘柄。農産物検査は、(お米の「おいしさ」を競うものではなく)品種が正しいか、品質はどの等級か、数量はどれだけあるか、を確認する。

スマート農業への取り組み

さらに、担い手不足や気候変動といった課題に対応するため、スマート農業やICTを活用した研究も進められていました。

水管理の自動化や除草など、省力化につながる技術の開発にも取り組まれています。
また、ドローンを活用した直播栽培の研究も行われていました。

圃場では、一般的な田植え(移植栽培)だけでなく、水を張った田んぼに直接種をまく湛水(たんすい)直播や、乾いた田んぼに種をまく乾田(かんでん)直播など、より省力化が期待できる栽培方法の生育状況についても見学しました。

農業試験場-2圃場にて説明を受ける様子

農業試験場-3(左)ドローンを活用した直播栽培の試験圃場、(右)ハウス内栽培の試験圃場

最新技術が変える稲作

田植えが終わった後も、肥料散布や除草などさまざまな作業が続きますが、その中でもこまめに行わなければならず、特に重要なのが水の管理です。
現在では、水管理も自動化・遠隔操作が可能となっており、水位センサーやタイマーを用いて給水ゲートやバルブを自動で開閉する「自動給水機」の導入も進められています。(水利条件に恵まれた圃場が前提ではありますが)これにより、水管理の負担軽減や省力化が図られていました。

そのほかにも、地中から発生するメタンガスの測定が行われており、以前ご紹介したカーボンクレジットにも関連する、中干しによるメタンガス排出抑制の研究も進められています。

また、「アイガモロボ」と呼ばれる自動抑草ロボットを活用した実証や、作業を行うタイミングがその後の生育にどのような影響を与えるのかといった研究など、さまざまな取り組みが行われていました。

農業試験場-4(左)遠隔操作による水管理設備、(右)メタンガス排出量の測定の様子

農業試験場-5除草作業を行う自動抑草ロボット「アイガモロボ」

普段、私たちはコメのプロとして仕事をしていますが、それは当社の工場に入荷する「玄米」以降の工程が中心です。
その一方で、その上流にある栽培や、さらにその前段階となる育種については、今回の視察を通して多くの学びがありました。普段取り扱っているお米も、長い年月をかけた品種開発や栽培に関する研究、そして多くの方々の努力によって支えられていることを改めて実感しました。

次回の視察は収穫前の秋を予定しています。
稲の生育状況や今回ご紹介した研究がその後どのようにつながっていくのかも含めて、改めてご紹介したいと思いますので、ぜひお楽しみに。

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