社長コラム40 「需要に応じた生産」は機能するのか

社長コラム

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当社代表の塩沢均による連載コラムです。

Shiozawa@2x-1

社長の塩沢です。
ベイクックについてはもちろん、稲作や長野米のお話、その時々の話題や情報など私なりに感じたことをお届けしていきたいと思います。どうぞお付き合いください。

 

9月半ばに高市首相は内閣改造を行い、農水大臣が鈴木大臣から簗大臣に交代しました。このコラムを書いている臨時国会目前、大臣就任前の発言をめぐり騒動が起きてしまい、今後どうなるかは見守るしかありませんが、新大臣は農政のスペシャリストとの触れ込みでもありますし、農政、特にコメ政策の方向性に大きな変化はないと思われます。つまり、「需要に応じた生産」を続けていくことになります。

ただ、この「需要に応じた生産」ですが、果たしてこの先、上手く機能するのでしょうか?

そもそも地球規模で人口が増加している中、気候変動の影響もあり、世界各地で大規模な干ばつが発生している現状を踏まえると、国内市場の需要だけを見てコメの生産量を抑えることが、真に取るべき手法なのかというマクロレベルの疑問はあります。ただ、先ずは足元の課題を解決するために、「需要に応じた生産」がきちんと実現できるかどうかです。

需要の予測については、令和のコメ騒動勃発の一因が農水省の見込み違いであったこともあり、より精緻な需要予測ができるよう、その精度向上に向けた検討を進めているそうですから、先ずはそれを待つしかないでしょう。

一方の生産(作付面積)については、地域の農業再生協議会等が作付意向を取りまとめていますが、最終的には個々の経営体が判断することになります。減ったとはいえ、50万以上の経営体が存在する中で、号令一下というわけにはいかないのはもっともな話です。

問題は、全体では帳尻が合っていても、個別(地域、個別経営体)での判断が積み重なり、結果として生産量が増えてしまうというパターンを繰り返さないか、ということだと思います。放っておいたら、来年も令和7年産や8年産のように、需要とのバランスを大きく欠いた生産となってしまうかもしれません。生産者の継続性、市場に対する信頼性等、様々な面から考えても避けたい事態です。

ただ、そうならないために中間流通の我々ができることは、残念ながらあまりないような気がします。強いて言えば、取引のある生産者さんに、川下の現状や価格、販売動向等を丁寧に伝えることくらいしか思い当たりません。

需給バランス。原理原則ですが、難しいですね。