普段、皆さんが一般的に食べている白米は、玄米の表面を重量ベースで10%ほど削った状態のものです。これを5%程度削ったものを「5分搗き(ごぶづき)米」、7%ほど削ったものを「7分搗き(しちぶづき)米」といいます。玄米に比べて炊きやすく食べやすくなります。
この「5分」や「7分」搗きの精米は手間もかかり、正確に測って行えるものでもないため、当社のような精米工場では対応できないのが実情ですが、家庭用の簡易精米機などで簡単に精米することができますのでご紹介いたします。
目次
家庭用小型精米機を使ってみよう!
今回使用したのは、エムケー精工の小型精米機です。卓上型の小さなもので、量は2合まで、3分づき~無洗米までつまみによる切り替えで調整、精米することができます。
無洗米の加工は、単に11~12分程度まで削るだけだと思いますので、私ども米穀卸が使用している無洗米設備や加工方法とは少し違う形となります。
家庭用小型精米機の使用方法
- 精米する玄米を入れ、精米機にセットします

- 搗精歩合をセットしてスイッチを入れます

5分づき米と7分づき米の搗精
分づき米で比較的分かりやすく利用されているのが5分づきと7分づきです。
今回はこの2種類の搗精歩合のものと白米を比較してみます。
5分づき米の搗精
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- 先ほどの要領で玄米をセットし、つまみを5分づきの「5」に合わせます
- スタートボタンを押し、5分づきになったところで自動で止まります

5分づき米 薄茶色で、胚芽も残っています
7分づき米の搗精
手順は、5分づき米と同様です。つまみは「7」に合わせます。

7分づき米 やや薄茶色で胚芽は5分づき米より少ないです
分づき米と通常の精白米の比較
通常の精白米も含めて3種の色合いを比較してみます。右上が5分、左上が7分、下が通常精米です。

玄米より食べやすい5分づき米と白米に近い7分づき米
精米した3種の炊飯、試食テストも行いました。通常精米と全く同じ条件で、浸漬は1時間程度行い、同じ炊き上がり時間でセットしました。
炊き上がり
炊き上がりの違いは、5分づきごはんはほぐすときの湯気の香りが玄米の香りが強く、7分づきになるとそれほど玄米臭は感じませんでした。
左から精白米、7分づき米、5分づき米の炊き上がり
5分づき米の炊き上がり
7分づき米の炊き上がり
精白米の炊き上がり
5分づきごはんと7分づきごはん、それぞれの試食結果
食感は、5分づきごはんは胚芽も残って全体的に薄黄色く色づいており、玄米独特のプチプチ感も若干感じることができます。玄米ごはんに抵抗がない方は、こちらの方が好みなのではないかと思います。丼やカレーなどのメニューであれば、まったく気にならないで召し上がれると思います。
7分づきごはんは胚芽部分の残りも少なくなり、香り、食感も精白米に近いものがあります。こちらは白米ごはんと変わらずに召し上がることができると思います。
5分づきごはん
- 全体的に薄黄色で胚芽が残っている
- 玄米独特のプチプチ感を感じることができる
- 玄米ごはんにあまり抵抗がない方や、7分づきごはんに慣れてきた方におすすめ
7分づきごはん
- 若干の薄黄色味を感じるが、胚芽の残りは少ない
- 香りや食感も精白米に近く、食べやすい
- 分づき米がはじめてな方や、玄米ごはんに抵抗はあるが分づき米を日常的に取り入れたい方におすすめ
雑穀や発芽玄米などごはんに混ぜるだけで簡単に普段の食事に取り入れられる商品も出ていますが、家庭用精米機があることでお米そのものの搗精バリエーションを増やすことができ、ごはんの楽しみが増えるのではないでしょうか?
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